被災地を訪れた夏の日【写真】
(震災関連のことを少し書かせてもらいます。)
昨年の7月、震災から10年後の被災地を訪れた。
被災地から遠い街に住む私は、何時間をかけてその場所へと向かう。
震災当時、何かとてつもないことが起こった、と小学生ながらに恐怖に怯えていたことを鮮明に覚えている。けれど、その感情は一時的なイベントのように、もう過去のものになっていた。あの日から「復興」という言葉と共に、メディアには被災地の情報が滝のように流れてくる。しかし、私は自分の目で、耳で、肌でその場所を感じてみたかった。
実際にその地に立ち、まだまだ復興には程遠い現実を知る。それどころか、復興が奪ってしまうものがたくさんあることを知った。大人たちの嘘も知った。あの日から現在進行形でこの場所は震災と共に進んでいる。
あんなにたくさん感じたのに、あんなにたくさん知ったのに、人はその状況に身を置いていないと忘れてしまう。だから私は写真に収めた。暑い夏の日に、必死で収めた13枚の写真をここに残しておきたい。
今日は3月12日。3月11日が過ぎた今日もあの場所はあの出来事と共に時を刻んでいる。