Shirokuma ha Hidarikiki

日常の独り言

お別れは突然に、

2月13日(日)の話

 

私の好きなことの1つにものづくりがある。

イラスト描いたり、アートをしたり、切り絵をしたり。

そんな私のものづくり活動を支えてくれていた場所があった。

 

それがシルクスクリーン工房「magtas」(マグタス)さんだ。

 

シルクスクリーンとは孔版印刷の一種で、イメージはおしゃれな版画。ちなみに、懐かしのプリントごっこシルクスクリーンの仲間です。(私は実物をみたことがありませんが…)magtasはそのシルクスクリーンが利用できる場所であり、私にとって1つの「すみか」でもあった。

 

出会いは高校のゼミ。

それからというもの、そのゼミやそこから派生した同好会、個人的な制作活動で何度も訪れた。magtasに行けば、いつも誰かが何かを生み出そうとしている。そんな神秘的な瞬間に立ち会うことができる喜びがそこにはあった。そして、そんな素敵な作り手さんと出会うことで、自分の刺激にもなっていた。

 

しかしこの度、magtasさんが活動休止をしてしまう。その知らせを聞いて、すぐに作業場の予約を取ったが、作業日まですごくすごく悲しかった。

 

そして当日。

工房の扉を開くと、そこにはいつもと変わらない空間が存在していた。

何かを生み出している人がいて、生み出すことにワクワクしている人がいて、それを嬉しそうに見つめる人がいて…。

活動休止なんて私がみた夢だったんじゃないか、と思うほどいつもと変わらない光景。

店長さんとお話ししていても「私もまだ無くなってしまうなんて信じられないよ〜」と笑う。

私はなんかホッとした。

なんでだろう?と考えると、今のmagtasという空間には、私がさっきまで感じていた、終わってしまう悲しみではなく、先に進む希望やものづくりをする喜びが溢れているからだった。

私もその日、素敵な作品が生み出せたし、生み出す瞬間にも立ち会えた。そして素敵な作り手さんにも出会えた。

その場所はなくなってしまうかもしれない。

でもそこで生まれたものや人との関係は、きっと消えるものではない。

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私はいつもの通り「ありがとうございました!」と工房の扉を閉めた。

「今まで」という言葉を使わずに。